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2014年より、コラム連載を書かせていただいてるインド初無料日本語情報誌【月刊チャロー】
今日は9月号に掲載された記事をお届けします*


《ネパールの神様と悪魔》
初めてインドを旅した時
人々の暮らしの中にイロトリドリな神様たちがあちこちにいて驚いた。
首から骸骨をたくさんぶら下げたカーリー女神と
その足元で踏みつけられているシヴァ神の絵を初めて目にした時は
その強烈な見た目とキャラクターに度肝を抜かれた。

インドでは神様は生活の一部なので
“あなたの宗教は?”という質問に対して
“わたしは特に何も信じていません”という答えは
“あなたの好きな食べ物は?”という質問に対して
“わたしは特に何も食べません”という答えが返ってくるのと同じくらい
理解が難しいとインド人に言われたのを今でもたまに思い出す。

わたしは特定の神様を信じているわけではないけれど
人々の祈る姿が好き。

ネパールはヒンドゥー教徒人口が全体の約8割を占めるため
インドと同様ヒンドゥー教の神様がたくさんいる。
そのほかにチベット仏教やネパールならではの土着の神様も多数存在する。

ネパールの神様で有名なのは生き神《クマリ》
クマリは血のけがれのない(初潮前)ネワール仏教徒のサキャ族の3~5歳の少女から選ばれ
満月の日産まれであること、さらに32ものきびしい条件を全てクリアしなければならない。
クマリに選ばれた少女は両親のもとを離れ生き神クマリとしてクマリの館に住み
ケガや初潮による出血がみられると次の新しいクマリに交代する。

世界中に神様はたくさんいるけれど
生き神として祀られているのは世界でもネパールのクマリだけなのでは。

クマリは一年に一度インドラジャトラの大祭の時に山車にのって町を巡行する以外は
館から外に出ることはないので
インドラジャトラの期間中はクマリを一目見ようとネパール中から人々がカトマンズに押し寄せる。
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(写真は2014年のインドラジャトラの時に撮影したもの)

神様がいるところには悪魔もいる。
世界遺産・パタンを散策中、満面の笑顔で下半身丸出しの全身骸骨の絵が壁に描かれているを目にして
一旦通り過ぎたけれど思わず引き返してしまった。

彼の名は《カワンチャ》
1609011.jpg

カワンチャは十字路に現れては人々に腹痛をもたらすと言われている。
けれど、マントラを唱え供物を捧げれば逆に病魔を追い払ってくれるらしい。
日本でいう妖怪みたいな存在なのかな。

ネパールでも滅多に目にすることのない知る人ぞ知る的存在のカワンチャ。
インパクト大な見た目と“十字路に現れて腹痛をもたらす”というふざけた発想に惚れてしまい
いつの間にかすっかりカワンチャファンになってしまった。

皆さんもネパールを訪れる機会があれば、このレア悪魔・カワンチャをぜひ探してみてくださいね。
そしてくれぐれも十字路にはご用心!?
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2016.09.01 Thu l ネパールの生活 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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