2014年より、コラム連載を書かせていただいてるインド初無料日本語情報誌【月刊チャロー】
今日は5月号に掲載された記事をお届けします*
《ネパールで出産》
先日、息子が2歳の誕生日を迎えた。
脱走系なもんで全く目が離せないけれど、目に入れても痛くないとはまさにこのこと。
その息子をネパールで出産したと言うとよく驚かれるので
今回はネパールで出産に至るまでのお話を。
ちょうど日本に戻ってきていたタイミングで妊娠に気がついたのが2013年夏。
日本で出産してからネパールに移るという選択肢もあったけど
最初からネパールで出産したいという気持ちが強かった。
しかも、ネパールの家で自宅出産したいとわたしが言い出したもんだから
『ネパールの病院での出産は100歩譲って認めるとしても、ネパールで自宅出産だけは
なにがなんでも絶対にゆるさーん!!』と日本の両親から大反対をくらってしまった。
自分が親になった今、思い返してみると両親の言い分はよく分かる。
お産の時にもし何かあったら一体どうするんだ!?ってごく当たり前の親心。
しかも何かあった時にすぐ近くの病院に駆け込める日本での自宅出産とはわけが違う
だってネパールの山奥なのだから。
わたしは超楽観主義なので
出産はわたしたち家族にとっては大ニュースだけど
人類の歴史から見れば何百万年と脈々と続いているわけで
決して特別なことでも病気でもないんだから、しっかり知識をつけておけば
わざわざ医療が介入しなくても何とかなる、というか何とかできるでしょうと思っている。
超心配症の父からしたら超楽観主義どころか無謀で自信家すぎる娘が見ていられなかったのだろう。
大きなお腹を抱えてネパールに移ったわたしを追うように父がネパールにやってきた。
妊娠8か月の時だった。
ネパールに到着しても観光するわけでもなく、まず日本大使館に行き
大使館職員に“ネパールでナンバーワンの病院は一体どこか”と畳み掛ける父。
答えは首都・カトマンズにあるNordic International Hospital(ノルヴィック病院)とのことだった。
ネパールの他の病院にお見舞いなどで訪れたことがあるけれど
たとえ名の通った大病院でも床に使用済みのしびんが転がっていたり
血の付いたコットンがそこらへんに落ちてたりとにかく不衛生極まりないのだけど
ノルヴィック病院は日本の大病院と変わらないくらい清潔で設備が整った病院だった。
ここで出産すると約束してくれたら安心して眠ることができると父が言うのを聞いて
それを押し切ってまで自宅出産にこだわるのはあまりに親不孝すぎると思い
ノルヴィック病院で出産することに決めた。
優しいけど芯のとおった英語の話せるチベット系の女医さんがわたしの担当医となり、心強かった。
そして予定日の1ヶ月前に突然訪れた陣痛。
ナガルコットから車に揺られ病院へ向かう。
普段は慣れている1時間半の山道はくねくねガタガタで
陣痛中のわたしにとって拷問以外の何物でもなかった。
そして病院到着から3時間ちょっとですんなり産まれてきたのは、2500gの元気な男の子。
検診の時に性別を教えないで欲しいと伝えていたので、
産まれて初めて男の子だと分かって、そんなサプライズも嬉しかった。
日本で出産したことがないからよく分からないけど、
ノルヴィック病院での出産はおそらく日本の病院での出産とそんなに変わらないんじゃないかな。
ネパールでの自宅出産は叶わなかったけど、今となってはもうそんなことどうでもいいんだ。
破天荒な娘で両親には申し訳ないけど、元気な孫の顔を見せられたのはきっと何よりの親孝行。
今日は5月号に掲載された記事をお届けします*
《ネパールで出産》
先日、息子が2歳の誕生日を迎えた。
脱走系なもんで全く目が離せないけれど、目に入れても痛くないとはまさにこのこと。
その息子をネパールで出産したと言うとよく驚かれるので
今回はネパールで出産に至るまでのお話を。
ちょうど日本に戻ってきていたタイミングで妊娠に気がついたのが2013年夏。
日本で出産してからネパールに移るという選択肢もあったけど
最初からネパールで出産したいという気持ちが強かった。
しかも、ネパールの家で自宅出産したいとわたしが言い出したもんだから
『ネパールの病院での出産は100歩譲って認めるとしても、ネパールで自宅出産だけは
なにがなんでも絶対にゆるさーん!!』と日本の両親から大反対をくらってしまった。
自分が親になった今、思い返してみると両親の言い分はよく分かる。
お産の時にもし何かあったら一体どうするんだ!?ってごく当たり前の親心。
しかも何かあった時にすぐ近くの病院に駆け込める日本での自宅出産とはわけが違う
だってネパールの山奥なのだから。
わたしは超楽観主義なので
出産はわたしたち家族にとっては大ニュースだけど
人類の歴史から見れば何百万年と脈々と続いているわけで
決して特別なことでも病気でもないんだから、しっかり知識をつけておけば
わざわざ医療が介入しなくても何とかなる、というか何とかできるでしょうと思っている。
超心配症の父からしたら超楽観主義どころか無謀で自信家すぎる娘が見ていられなかったのだろう。
大きなお腹を抱えてネパールに移ったわたしを追うように父がネパールにやってきた。
妊娠8か月の時だった。
ネパールに到着しても観光するわけでもなく、まず日本大使館に行き
大使館職員に“ネパールでナンバーワンの病院は一体どこか”と畳み掛ける父。
答えは首都・カトマンズにあるNordic International Hospital(ノルヴィック病院)とのことだった。
ネパールの他の病院にお見舞いなどで訪れたことがあるけれど
たとえ名の通った大病院でも床に使用済みのしびんが転がっていたり
血の付いたコットンがそこらへんに落ちてたりとにかく不衛生極まりないのだけど
ノルヴィック病院は日本の大病院と変わらないくらい清潔で設備が整った病院だった。
ここで出産すると約束してくれたら安心して眠ることができると父が言うのを聞いて
それを押し切ってまで自宅出産にこだわるのはあまりに親不孝すぎると思い
ノルヴィック病院で出産することに決めた。
優しいけど芯のとおった英語の話せるチベット系の女医さんがわたしの担当医となり、心強かった。
そして予定日の1ヶ月前に突然訪れた陣痛。
ナガルコットから車に揺られ病院へ向かう。
普段は慣れている1時間半の山道はくねくねガタガタで
陣痛中のわたしにとって拷問以外の何物でもなかった。
そして病院到着から3時間ちょっとですんなり産まれてきたのは、2500gの元気な男の子。
検診の時に性別を教えないで欲しいと伝えていたので、
産まれて初めて男の子だと分かって、そんなサプライズも嬉しかった。
日本で出産したことがないからよく分からないけど、
ノルヴィック病院での出産はおそらく日本の病院での出産とそんなに変わらないんじゃないかな。
ネパールでの自宅出産は叶わなかったけど、今となってはもうそんなことどうでもいいんだ。
破天荒な娘で両親には申し訳ないけど、元気な孫の顔を見せられたのはきっと何よりの親孝行。
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