2014年より、コラム連載を書かせていただいてるインド初無料日本語情報誌【月刊チャロー】
今日は3月号に掲載された記事をお届けします*
《ネパールの地酒》
インドとネパールには共通点がたくさんあるけれど
大きく違うことのひとつは、ネパール人はインド人と違ってお酒をよく飲む。
インドを旅してしていた時、お酒の法律が厳しくないゴアやポンディチェリー
都会の外国人向けのホテルやバーではお酒が飲めたけれど
それ以外の町中でお酒を買おうとするもんなら
ここ本当に営業中!?というくらい薄暗い中ひっそりと営業している酒屋で
鉄格子の隙間からお金を渡すと紙袋にぐるぐるに包まれたお酒のボトルを渡されて
なんだかとてつもなく悪いブツを取引しているような気分にさせられたものだ。
それに比べ、ネパールの首都・カトマンズはバーで溢れ
田舎にも居酒屋的なお店がいくつもあり
目の前に氷河がどどーんとそびえ立つ標高4000m越えの山奥でも普通にビールが飲めたりする。
わたしが住んでいたナガルコットの村の住民は酒好きの民族が多く
早朝からグイーッと一杯飲んで畑仕事に出かけるおじちゃんたちをよく見かけた。
近所の家を訪ねると午前中だろうがお茶代わりにお酒が出されるのも日常だった。
臨月でお腹がはちきれそうな時に近所の家でお酒が出されて
“妊娠中だからお酒は結構です”というと、不思議な顔をされた。
これだから文化の違いって面白い。
商店やカトマンズのバーではビールや輸入品のウォッカなどが定番だけど
村の方では今でも各家庭でお酒を作っている。
定番なのは“ロキシー”と呼ばれる蒸留酒。
原料は時期によってお米だったり、トウモロコシだったり、キビだったり変化するので
季節ごとに味の違いを楽しめる。
ネパール人はとにかくロキシーが大好きで
アルコール度数が結構高いのにストレートでぐびぐび飲み
機嫌が良くなるとむさ苦しいダンスを披露してくれたりする。
私が一番好きだったのは、“チャン”と呼ばれる白濁した酸味の効いたお酒。
お米を発酵させて作るどぶろくで、風味は例えるなら韓国のマッコリみたいな感じ。
ほのかにシュワシュワっとしていて飲みやすく、1リットルくらいさらっと飲めてしまう。
あぁぁ、思い出したら飲みたくなってきた。
寒い季節には“トゥンバ”がオススメ。
ヒエやアワを発酵させたものを容器に詰め
そこにお湯を注ぐと瞬時にアルコールになるので、それを金属のストローのようなもので飲む。
これが焼酎お湯割りみたいで、冷えた体に沁みわたる。
しかも飲み終わっても、繰り返しお湯を注げば3,4杯は楽しむことができる。
ネパールの居酒屋に行くと、近所のネパール人たちがこうした地酒を飲みながら
つまみにスクティと呼ばれる干し肉やチウラと呼ばれる干し米をポリポリ食べている。
ネパールの伝統的な保存食でもあり、酒の肴でもあるのだ。
これらは英語のメニューが置いてあるような観光客向けのお店にはなかなか置いていないけれど
ネパール人たちが行くようなローカル居酒屋(店員さんがモンゴリアン系の顔だと可能性大)
に行くと見つけられるだろう。
もしネパールに行く機会があったら
おしゃれなバーでライブミュージックを楽しみながらエベレストビールもいいけど
ぜひ一度はローカル居酒屋でネパール人たちに囲まれながらネパールの地酒も味わってみて欲しい。
保証はしないけど、インド在住の皆さんならきっとお腹も大丈夫だろう。
今日は3月号に掲載された記事をお届けします*
《ネパールの地酒》
インドとネパールには共通点がたくさんあるけれど
大きく違うことのひとつは、ネパール人はインド人と違ってお酒をよく飲む。
インドを旅してしていた時、お酒の法律が厳しくないゴアやポンディチェリー
都会の外国人向けのホテルやバーではお酒が飲めたけれど
それ以外の町中でお酒を買おうとするもんなら
ここ本当に営業中!?というくらい薄暗い中ひっそりと営業している酒屋で
鉄格子の隙間からお金を渡すと紙袋にぐるぐるに包まれたお酒のボトルを渡されて
なんだかとてつもなく悪いブツを取引しているような気分にさせられたものだ。
それに比べ、ネパールの首都・カトマンズはバーで溢れ
田舎にも居酒屋的なお店がいくつもあり
目の前に氷河がどどーんとそびえ立つ標高4000m越えの山奥でも普通にビールが飲めたりする。
わたしが住んでいたナガルコットの村の住民は酒好きの民族が多く
早朝からグイーッと一杯飲んで畑仕事に出かけるおじちゃんたちをよく見かけた。
近所の家を訪ねると午前中だろうがお茶代わりにお酒が出されるのも日常だった。
臨月でお腹がはちきれそうな時に近所の家でお酒が出されて
“妊娠中だからお酒は結構です”というと、不思議な顔をされた。
これだから文化の違いって面白い。
商店やカトマンズのバーではビールや輸入品のウォッカなどが定番だけど
村の方では今でも各家庭でお酒を作っている。
定番なのは“ロキシー”と呼ばれる蒸留酒。
原料は時期によってお米だったり、トウモロコシだったり、キビだったり変化するので
季節ごとに味の違いを楽しめる。
ネパール人はとにかくロキシーが大好きで
アルコール度数が結構高いのにストレートでぐびぐび飲み
機嫌が良くなるとむさ苦しいダンスを披露してくれたりする。
私が一番好きだったのは、“チャン”と呼ばれる白濁した酸味の効いたお酒。
お米を発酵させて作るどぶろくで、風味は例えるなら韓国のマッコリみたいな感じ。
ほのかにシュワシュワっとしていて飲みやすく、1リットルくらいさらっと飲めてしまう。
あぁぁ、思い出したら飲みたくなってきた。
寒い季節には“トゥンバ”がオススメ。
ヒエやアワを発酵させたものを容器に詰め
そこにお湯を注ぐと瞬時にアルコールになるので、それを金属のストローのようなもので飲む。
これが焼酎お湯割りみたいで、冷えた体に沁みわたる。
しかも飲み終わっても、繰り返しお湯を注げば3,4杯は楽しむことができる。
ネパールの居酒屋に行くと、近所のネパール人たちがこうした地酒を飲みながら
つまみにスクティと呼ばれる干し肉やチウラと呼ばれる干し米をポリポリ食べている。
ネパールの伝統的な保存食でもあり、酒の肴でもあるのだ。
これらは英語のメニューが置いてあるような観光客向けのお店にはなかなか置いていないけれど
ネパール人たちが行くようなローカル居酒屋(店員さんがモンゴリアン系の顔だと可能性大)
に行くと見つけられるだろう。
もしネパールに行く機会があったら
おしゃれなバーでライブミュージックを楽しみながらエベレストビールもいいけど
ぜひ一度はローカル居酒屋でネパール人たちに囲まれながらネパールの地酒も味わってみて欲しい。
保証はしないけど、インド在住の皆さんならきっとお腹も大丈夫だろう。
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