昨年より、コラム連載を書かせていただいてる
インド初無料日本語情報誌【月刊チャロー】
帰国後も忘備録として現地在住生活便り《ネパール編》を担当させていただいてるのですが
最近”そのコラムを読んでみたい”という嬉しいメッセージをいただくことがあります。
が、しかーし!月刊チャローはインドまで行かないと手に入りません!!
そんなわけでブログに転載させていただくことしました。
《人と人の距離》
ネパール人の人と人の距離は日本人のわたしからすると、とてつもなく近い。
もうね、近すぎて息づかいまで聞こえてきそうなほど。
良く言えば、人懐っこくて細かいことなんて気にしない。
悪く言えば、図々しくてしつこい。
インドでもよく見かける光景だが
ネパールでも男同士手を繋ぐ、肩を組む、じゃれ合うなんてもう序の口。
見てるこっちが恥ずかしくなるくらい、おっさん同士顔と顔を近づけ見つめ合いながらクネクネ踊っていたりする。
『君ってばさ~本当においしそうだから、食べてしまいたいよ。
今夜のダルと一緒に煮込んでしまおうか?それともモモ(ネパール風ギョウザ)にして食べてしまおうか??』
と冗談を言い合っているのを聞いたこともある。
あ、ちなみにこれ50過ぎの既婚子持ち男性同士の会話ね。付き合いたてのカップルかっ!?
こんな感じで、ネパールで生活していた時はむさくるしいことの連続だったので
むさくるしさの単位を“むさくる”と制定し
『5むさくる!』『うっわ!20むさくる!!』とむさくるを連発しまくっていたものだ。
冬のある日、親戚の高校生の女の子が家に遊びにやってきた。
彼女は授乳しているわたしに向かって突然
『お姉ちゃん、母乳ちょうだい!顔に塗ると肌がしっとりスベスベになるんだから』と言った。
わたしが返事する間もなく『塗ってー塗ってー』っとわたしの目の前にちょこんと座って目をつぶった彼女。
別に汚いもんじゃないけど、人の母乳を顔に塗りたいってすごいなー。
年頃の女の子のキレイな素肌にペタペタと母乳を塗りながら内心ドキドキしてしまって
変質者の気持ちがちょっぴり分かったような気がした。
そんなわたしが日本に拠点を戻して2ヶ月が経った。
そういえば、帰国してまだ『1むさくる』も登場していない。
『日本人は冷たい』と感じる外国人は多いと聞くけれど
それはきっと日本人がむさくるしくないからだと思う。
たまにあの強烈な“むさくる”が恋しくなる時もあるけれど
日本で生まれ育ったわたしはやっぱりこのくらいの距離感が心地いい。
月刊チャロー2015年7月号より
インド初無料日本語情報誌【月刊チャロー】
帰国後も忘備録として現地在住生活便り《ネパール編》を担当させていただいてるのですが
最近”そのコラムを読んでみたい”という嬉しいメッセージをいただくことがあります。
が、しかーし!月刊チャローはインドまで行かないと手に入りません!!
そんなわけでブログに転載させていただくことしました。
《人と人の距離》
ネパール人の人と人の距離は日本人のわたしからすると、とてつもなく近い。
もうね、近すぎて息づかいまで聞こえてきそうなほど。
良く言えば、人懐っこくて細かいことなんて気にしない。
悪く言えば、図々しくてしつこい。
インドでもよく見かける光景だが
ネパールでも男同士手を繋ぐ、肩を組む、じゃれ合うなんてもう序の口。
見てるこっちが恥ずかしくなるくらい、おっさん同士顔と顔を近づけ見つめ合いながらクネクネ踊っていたりする。
『君ってばさ~本当においしそうだから、食べてしまいたいよ。
今夜のダルと一緒に煮込んでしまおうか?それともモモ(ネパール風ギョウザ)にして食べてしまおうか??』
と冗談を言い合っているのを聞いたこともある。
あ、ちなみにこれ50過ぎの既婚子持ち男性同士の会話ね。付き合いたてのカップルかっ!?
こんな感じで、ネパールで生活していた時はむさくるしいことの連続だったので
むさくるしさの単位を“むさくる”と制定し
『5むさくる!』『うっわ!20むさくる!!』とむさくるを連発しまくっていたものだ。
冬のある日、親戚の高校生の女の子が家に遊びにやってきた。
彼女は授乳しているわたしに向かって突然
『お姉ちゃん、母乳ちょうだい!顔に塗ると肌がしっとりスベスベになるんだから』と言った。
わたしが返事する間もなく『塗ってー塗ってー』っとわたしの目の前にちょこんと座って目をつぶった彼女。
別に汚いもんじゃないけど、人の母乳を顔に塗りたいってすごいなー。
年頃の女の子のキレイな素肌にペタペタと母乳を塗りながら内心ドキドキしてしまって
変質者の気持ちがちょっぴり分かったような気がした。
そんなわたしが日本に拠点を戻して2ヶ月が経った。
そういえば、帰国してまだ『1むさくる』も登場していない。
『日本人は冷たい』と感じる外国人は多いと聞くけれど
それはきっと日本人がむさくるしくないからだと思う。
たまにあの強烈な“むさくる”が恋しくなる時もあるけれど
日本で生まれ育ったわたしはやっぱりこのくらいの距離感が心地いい。
月刊チャロー2015年7月号より
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