ネパールと日本を比べると
当たり前だけど、あるものないもの違いがたくさんある。
日本に住んでいると、海のない暮らしというのはなかなか想像がつかないかもしれないけど
島国日本と内陸国ネパールの差は大きい。
今日はそんな【海】についてのお話。
海がないと言うことは、当たり前だけどまずビーチが存在しない。
どうしてもビーチに行きたかったら、一番近くてもインドまで行かなければならない。
ネパールから出たことのないネパール人にとって海は映画や写真の世界のもので
一度も海を見たことがないというネパール人の方が圧倒的に多い。
そして海の幸がない。
首都カトマンズの高級スーパーに行けば輸入品の冷凍エビやイカはかろうじて手に入るけれど
それでも種類はごくわずかで、しかも値段も高い。
だからたまに猛烈に北海道にワープしたくなったりする。
そしてネパールでは
イルカとかクジラとかサメなど、海の生き物のデザインはほとんど見かけない。
きっとネパール人にとってサメは
日本人にとってイエティくらいよく分からなくて無縁な存在なんだと思う。
そして海がないことによってのもうひとつの大きな違いは
輸出入を海路に頼れないことじゃないかと思う。
つまり空路(早いけど輸送費が高く大量には運搬できない)
または陸続きの隣国・インド&中国からの陸路のみになる。
原油や天然ガスをタンカー船で大量に輸入し
自動車や鉄鋼を大きな船でバンバン輸出してる日本とは、物流の面で大きく異なる。
主要エネルギーのガソリンはインドからタンク車でやってくる。
でも、インド国内で供給が追いつかなくなったり、ストライキや選挙などがあったりすると
「ネパールにあげるほどガソリンはありませんよー」と、すぐガソリンがストップする。
だから、首都カトマンズでさえガソリンスタンドが全部閉鎖しているなんてことも珍しくない。
そうすると突如現れるのが闇ガソリン。
売店の店先なんかにオレンジ色のペットボトルやガラス瓶が並んでるからすぐ分かる。
ガソリンスタンド閉鎖当日ならまだ通常の価格の1.2倍くらいで買えるけど
閉鎖して5日目とかになると価格は3倍とかに跳ね上がったりもする。
日本じゃなかなか考えられない光景だね。
物流の話に戻るけど、輸入の大半を陸続きの隣国・インド&中国に頼るということは
必然的に輸入品の多くは中国製かインド製になる。
そしてネパールに出回ってるMade in Chinaの品質の悪さと言ったら
日本で売ってるMade in Chinaとは比べものにならないくらい悪い。
高品質なモノで溢れ、輸入先もいくらでも選択肢がある日本向けに低品質なモノを流せば
明日には受注がストップするかもしれない可能性を中国側も熟知していて
ある程度の品質以上のモノを日本向けに製造してくれる。
それに几帳面な日本人ゆえ、輸入品に対する品質管理能力も長けている。
逆に高品質なモノが少なく、さらに輸入先の選択肢のほとんどないネパール向けには
これでもくらえ!とばかりにとんでもないモノを強気で流してくる。
しかもネパールの物価から考えると、そのとんでもないモノでも決して安くない。
でも残念ながら、現在のネパールには高品質なモノを作る技術がほとんどなく
輸入品に対する品質管理能力もないから、この状況はなかなか改善されず
中国製のジャンク品が大量に出回り続けている。
そんなわけで
ワインオープナーはたった一回でぐるぐるしたコイル部分が伸びきって使い物にならなくなるし
ライターを買った2時間後にはいつのまにかガスが抜けて空っぽになってたりする。
ちなみにネパール語で“無い”を“チャイナ”と言う。
買ったばかりの中国製品が壊れるとネパール人はこう呟く。
『メイド イン チャイナ ボリ チャイナ』
(中国製に明日は無い)
まぁ、ネパール版オヤジギャグみたいなもんだね。
モノを作る技術を習得して自国で製造すればいいと思うかもしれないけど
1日の約半分が停電のネパールでは、工場で大量生産といった産業はまだまだ根付かない。
だからちょっと田舎の方に行くと
今でも自給自足、地産地消、そして電気に頼らない手しごとが基本なのだ。
毛糸を編んで服を作り
畑を耕して食べ物を育て
鉄を打って農機具を修理して
レンガをひとつひとつ積んで家を建て
野菜を干したり漬けたりして保存食を作り、冬に備える。
実際、うちにあるバターもお酒も漬け物もぜーんぶお義母さんの手づくり。
家や庭のメンテナンスとハーブ収集は旦那のライフワーク。
できることは自分達でやるから
生活のあらゆるところに昔からの知恵がいっぱい詰まってる。
100年前の日本もきっとこんな感じだったのかな。
そして『海はないけど、ネパールには世界一の山・エベレストがあるぞ』
というのがネパール人の誇りだったりする。
海はないけど、本日もネパールは平和です。
当たり前だけど、あるものないもの違いがたくさんある。
日本に住んでいると、海のない暮らしというのはなかなか想像がつかないかもしれないけど
島国日本と内陸国ネパールの差は大きい。
今日はそんな【海】についてのお話。
海がないと言うことは、当たり前だけどまずビーチが存在しない。
どうしてもビーチに行きたかったら、一番近くてもインドまで行かなければならない。
ネパールから出たことのないネパール人にとって海は映画や写真の世界のもので
一度も海を見たことがないというネパール人の方が圧倒的に多い。
そして海の幸がない。
首都カトマンズの高級スーパーに行けば輸入品の冷凍エビやイカはかろうじて手に入るけれど
それでも種類はごくわずかで、しかも値段も高い。
だからたまに猛烈に北海道にワープしたくなったりする。
そしてネパールでは
イルカとかクジラとかサメなど、海の生き物のデザインはほとんど見かけない。
きっとネパール人にとってサメは
日本人にとってイエティくらいよく分からなくて無縁な存在なんだと思う。
そして海がないことによってのもうひとつの大きな違いは
輸出入を海路に頼れないことじゃないかと思う。
つまり空路(早いけど輸送費が高く大量には運搬できない)
または陸続きの隣国・インド&中国からの陸路のみになる。
原油や天然ガスをタンカー船で大量に輸入し
自動車や鉄鋼を大きな船でバンバン輸出してる日本とは、物流の面で大きく異なる。
主要エネルギーのガソリンはインドからタンク車でやってくる。
でも、インド国内で供給が追いつかなくなったり、ストライキや選挙などがあったりすると
「ネパールにあげるほどガソリンはありませんよー」と、すぐガソリンがストップする。
だから、首都カトマンズでさえガソリンスタンドが全部閉鎖しているなんてことも珍しくない。
そうすると突如現れるのが闇ガソリン。
売店の店先なんかにオレンジ色のペットボトルやガラス瓶が並んでるからすぐ分かる。
ガソリンスタンド閉鎖当日ならまだ通常の価格の1.2倍くらいで買えるけど
閉鎖して5日目とかになると価格は3倍とかに跳ね上がったりもする。
日本じゃなかなか考えられない光景だね。
物流の話に戻るけど、輸入の大半を陸続きの隣国・インド&中国に頼るということは
必然的に輸入品の多くは中国製かインド製になる。
そしてネパールに出回ってるMade in Chinaの品質の悪さと言ったら
日本で売ってるMade in Chinaとは比べものにならないくらい悪い。
高品質なモノで溢れ、輸入先もいくらでも選択肢がある日本向けに低品質なモノを流せば
明日には受注がストップするかもしれない可能性を中国側も熟知していて
ある程度の品質以上のモノを日本向けに製造してくれる。
それに几帳面な日本人ゆえ、輸入品に対する品質管理能力も長けている。
逆に高品質なモノが少なく、さらに輸入先の選択肢のほとんどないネパール向けには
これでもくらえ!とばかりにとんでもないモノを強気で流してくる。
しかもネパールの物価から考えると、そのとんでもないモノでも決して安くない。
でも残念ながら、現在のネパールには高品質なモノを作る技術がほとんどなく
輸入品に対する品質管理能力もないから、この状況はなかなか改善されず
中国製のジャンク品が大量に出回り続けている。
そんなわけで
ワインオープナーはたった一回でぐるぐるしたコイル部分が伸びきって使い物にならなくなるし
ライターを買った2時間後にはいつのまにかガスが抜けて空っぽになってたりする。
ちなみにネパール語で“無い”を“チャイナ”と言う。
買ったばかりの中国製品が壊れるとネパール人はこう呟く。
『メイド イン チャイナ ボリ チャイナ』
(中国製に明日は無い)
まぁ、ネパール版オヤジギャグみたいなもんだね。
モノを作る技術を習得して自国で製造すればいいと思うかもしれないけど
1日の約半分が停電のネパールでは、工場で大量生産といった産業はまだまだ根付かない。
だからちょっと田舎の方に行くと
今でも自給自足、地産地消、そして電気に頼らない手しごとが基本なのだ。
毛糸を編んで服を作り
畑を耕して食べ物を育て
鉄を打って農機具を修理して
レンガをひとつひとつ積んで家を建て
野菜を干したり漬けたりして保存食を作り、冬に備える。
実際、うちにあるバターもお酒も漬け物もぜーんぶお義母さんの手づくり。
家や庭のメンテナンスとハーブ収集は旦那のライフワーク。
できることは自分達でやるから
生活のあらゆるところに昔からの知恵がいっぱい詰まってる。
100年前の日本もきっとこんな感じだったのかな。
そして『海はないけど、ネパールには世界一の山・エベレストがあるぞ』
というのがネパール人の誇りだったりする。
海はないけど、本日もネパールは平和です。
スポンサーサイト